病気で療養する場所として、大きく分けて「病院」と「病院以外」があります。
近年は特に病院では必要な治療を終えたらなるべく早めに「病院以外」に場所を移すことが当たり前となっています。
ところが「病院以外」でサポートをする医者や看護師はお世辞にも足りているとは言えません。
私は精神科医としての勤務以降、2006年からは在宅医として働いてきました。癌の疼痛緩和やお看取りを含めた困難な状態の対応を多数経験し、中でも認知症患者さんに対する支援の少なさ、質の不十分さを痛切に感じました。
「認知症だからしょうがない」「認知症は治らないから対処できない」と簡単に切り捨てて一顧だにされないこともあります。
長年頑張って生きてこられた最後の大切な時間を「認知症の厄介者」と扱われて過ごさなければならないとは、何とも悲しいことと思われます。
身体的なご不自由はもちろん、認知症で通院できない方も自宅で適切な医療を受けることで最後までご家族と過ごすことができるように支援していけたら、と願っております。
院長横山 敬輝(よこやま たかてる)